3.ジャンル別

戦争・反戦

『花筐 HANAGATAMI』今更レビュー|大林監督戦争三部作③

全編大林映画以外の何物でもない満腹感。唐津の幻想的な祭りや街並みの美しさ、アポロのような満島真之介の美。考えるな、感じよ。それが大林映画だ。
コメディ

『カツベン!』考察とネタバレ|花の巴里〜か倫敦か。春、東映のローマンス

無声映画の脇で名調子を謳い上げ、映画に息を吹き込んだ活動弁士。日本固有の文化を周防監督が喜劇に。成田凌に黒島結菜の共演が、ドタバタ喜劇に味わいをもたらす。
クライム

『アンカットダイヤモンド』考察とネタバレ|ダイヤじゃなくオパールだけど

こんなに凄みの効いたアダム・サンドラー、見たことない。どぎつい金の亡者の主人公は多額の借金地獄。しかも他人の金を拝借してはNBAの賭け試合に突っ込む。
スポーツ、ゲーム

『ファイティングファミリー』考察とネタバレ|プロレスにあるのは筋書き

プロレスをこよなく愛し家族全員がレスラーという一家。題名に偽りなし。ニック・フロストの父親のおバカな言動に垣間見える家族愛とプロレス愛が沁みる。
ホラー

『HOUSE』今更レビュー|生首っ、生首っ、生首よ! え、早口ことば?

大林宣彦監督の劇場用映画第一弾。伝説はここから始まった。実験的精神と遊び心に溢れる笑えるホラー。苦手な人は見向きもしないだろうが、好きな人にはたまらない。
青春

『冬冬の夏休み』考察とネタバレ|ステイホーム、この映画で帰省気分に

ステイホームでも、バーチャルな帰省体験をノスタルジックな田舎の夏の原風景で。侯孝賢監督の代表作。台湾なのに、すっかり日本の昭和の夏。
クライム

『楽園』考察とネタバレ|吉田修一の短編融合はよいが、何が楽園なのか

吉田修一の短編二編を強引に統合した感が否めない。どの辺が楽園で、何を軸に映画が進んでいるのか。瀬々監督と原作者、この題材と配役では、ロクヨン+アクニンの印象が強い。
ホラー

『CURE』考察とネタバレ|癒しを求める人々の心の隙に伝道師がつけ入る

黒沢清と役所広司の最強タッグのホラーはここから始まる。癒しを求めて、人は伝道師の罠に落ちていく。黒沢ホラーの真骨頂、サイコホラーの真髄を体感せよ。
コメディ

『マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)』考察とネタバレ|どこを改訂?

アダム・サンドラーとベン・スティラーの兄弟、父がダスティン・ホフマンと家族コメディに無敵の布陣。プライド高い芸術家の父に、いくつになっても振り回される子供たち。
クライム

『顔』考察とネタバレ|役者は顔じゃないよ、ハートさ

殺人犯の逃亡劇を描いても、どこか滑稽さを感じさせる藤山直美の持味と、それを引き出す阪本順治監督。脇を固める常連メンバーの結束も固い。
青春

『フランシス ハ』今更レビュー|ハァ?と言って挑発している訳ではないのだ

彼氏を振った途端、親友のルームメイトも結婚で去り、ダンサーの夢も挫折寸前でも、くじけないダメ女。
ファンタジー

『マルコヴィッチの穴』考察とネタバレ|エレベータの階数表示ボタンが笑

カウフマンとスパイク・ジョーンズのコンビが描く秀逸なナンセンス。7と1/2階で降りたフロアに広がる天井高が半分の世界。そして人気俳優の脳内へ。
ドラマ

『灼熱の魂』考察とネタバレ|あまりに重たい真実に焼け焦げる心

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の出世作。ミステリーと呼ぶにはあまりに重く切ない、亡き母の過去を辿る旅。死んだはずの父、いないはずの兄を探し始めた姉弟が辿り着いた真実。
ドラマ

『ペパーミントキャンディー』考察とネタバレ|題名ほど甘い内容ではないぞ

どれだけ人生を遡れば、甘い思い出に再会できるだろう。イ・チャンドン監督の傑作がリマスターで復活。絶望の淵に立った男が死に際に、戻りたいと叫んだ日々。
戦争・反戦

『海辺の映画館 キネマの玉手箱』考察とネタバレ|閉館でも灯を絶やさずに

大林宣彦監督の遺作は、軽妙な笑いや映画の楽しさも盛り込んだ集大成。反戦の願いが我々に託される。実験的な挑戦も健在で、3時間の大作にいささかの気力の衰えもない。