シネフィリー・ステディ・ゴー! | ページ 57
ドラマ

『MOTHER マザー』考察とネタバレ|「誰も知らない」はまだ序の口

長澤まさみの新境地、救いのない毒親ぶりに圧倒される。そんな母を慕い、成長した息子が踏み外す人生。実に大森立嗣監督らしい切れ味。
伝記・歴史

『ジュディ 虹の彼方に』考察とネタバレ|虹の向こうには何があったのか

ジュディ・ガーランドの華やかな舞台裏にあった過酷な半生。抑圧と搾取の子役時代。子供の親権争いと、結婚と離婚の繰り返し。だが、ステージでは輝きを取り戻す。
サスペンス

『瞳の中の訪問者』今更レビュー|宍戸錠の「ブラック・ジャックもよろしく」

大林宣彦+手塚治虫の最強タッグ。公開当時は衝撃的でも時代が追い付いた。ここまで真剣に手塚作品を実写化した監督がいただろうか。
ミステリ―

『罪の声』考察とネタバレ|子供の声の再生テープの無機質な不気味さよ

日本中を震撼させた事件の脅迫電話の子供の声は、自分のものだと気づく男。星野・小栗のバディが新鮮!原作に負けず、映画化ならではの要素が随所に散りばめられている。
ドラマ

『浅田家!』考察とネタバレ|実話ベースだと思うと、本物の写真集が見たい

ただ家族写真を撮り続けるニノの演技に新境地を感じる。浅田家はほっこり温かい。脱力系コメディから、被災地の写真返却ボランティアと様変わりし、これぞ笑い泣き。
ドラマ

『泥の河』今更レビュー|これは日本版ノマドライフなのかもしれない

小栗康平監督のデビュー作。もはや戦後ではない大阪の河辺、二人の少年の友情と隔たりを瑞々しく描く。子供たちの表情も豊かでよいが、見守る大人たちの優しさも好き。
サスペンス

『殺人者の記憶法』考察とネタバレ|中年男の痙攣顔より若者の不敵な笑顔が怖

すぐに記憶をなくす中年男とイケメンの警察官青年。ともに正体は連続殺人犯。記憶なくして勝てるのか。しかめっ面の中年男の痙攣顔より、若者の不敵な笑みのが怖い。
恋愛

『東京公園』今更レビュー|東京の中心にあるのは公園ではなく皇居だと思う

東京の公園を巡り歩く人妻・井川遥を盗撮する三浦春馬。のんびり散歩で癒されたい人に合う青山真治作品。姉・小西真奈美や幼馴染・榮倉奈々との関係もいい。
ドラマ

『ストーリーオブマイライフ わたしの若草物語』考察とネタバレ

グレタ・ガーウィグ監督とシアーシャ・ローナンの息の合ったタッグ。原作を尊重しつつ、古臭さを感じさせないアレンジは見事。四姉妹の持ち味と家族愛に感極まる。
アニメ

『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』今更レビュー

コトリンゴの曲と<のん>のほんわかした広島弁。(さらにいくつもの)シーンを追加し味わいの増した長尺版で、もう一度すずのいる世界へ飛び込もう。
サスペンス

『スパイの妻』考察とネタバレ|ヴェネツィア銀獅子賞受賞、お見事です

黒沢清監督初の歴史ドラマ。国家秘密を知り行動にでる男とその妻の運命。戦争前夜の神戸。洋装の妻・蒼井優、三つ揃えの夫・高橋一生、憲兵服の東出昌大が絵になる。
ファンタジー

『ロングデイズジャーニー この夜の涯てへ』考察とネタバレ|3Dメガネくれ!

中国映画の新世代、ビー・ガン監督最新作は60分3D長回しで仕掛けるファンタジー。体験する映画だ。芸術性は高いが、単なるアート系の監督ではない計算された物語。
ファンタジー

『凱里ブルース』考察とネタバレ|ビーガンの時間の戻し方はノーランと違う

中国映画の進化を体感しよう。新進のビー・ガン監督デビュー作凱里(かいり)ブルース。美しく不思議に流れる時間が心地よい。旅の途中で、男は不思議な時空の村に迷い込む。
ミステリ―

『オリエント急行殺人事件』考察とネタバレ|ゆで卵も善悪もバランスが大事

結末は分かっていても楽しめる、豪華キャストによる有名な殺人事件。監督・主演はケネス・ブラナー。名探偵ポアロを見ているだけでも面白いけど、ジョニデがもっと見たかった。
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『愛がなんだ』考察とネタバレ|中目黒の路上ラップで恋敵をディスる

今泉力哉と角田光代のタッグで、正解のない恋の世界へ誘う。ストーカーっぽい岸井ゆきのがハマリ役。愛とか恋とかを余裕で超越している話は、恋愛ものといえるのか。