ファンタジー

『ロングデイズジャーニー この夜の涯てへ』考察とネタバレ|3Dメガネくれ!

中国映画の新世代、ビー・ガン監督最新作は60分3D長回しで仕掛けるファンタジー。体験する映画だ。芸術性は高いが、単なるアート系の監督ではない計算された物語。
ファンタジー

『凱里ブルース』考察とネタバレ|ビーガンの時間の戻し方はノーランと違う

中国映画の進化を体感しよう。新進のビー・ガン監督デビュー作凱里(かいり)ブルース。美しく不思議に流れる時間が心地よい。旅の途中で、男は不思議な時空の村に迷い込む。
ミステリ―

『オリエント急行殺人事件』考察とネタバレ|ゆで卵も善悪もバランスが大事

結末は分かっていても楽しめる、豪華キャストによる有名な殺人事件。監督・主演はケネス・ブラナー。名探偵ポアロを見ているだけでも面白いけど、ジョニデがもっと見たかった。
恋愛

『愛がなんだ』考察とネタバレ|中目黒の路上ラップで恋敵をディスる

今泉力哉と角田光代のタッグで、正解のない恋の世界へ誘う。ストーカーっぽい岸井ゆきのがハマリ役。愛とか恋とかを余裕で超越している話は、恋愛ものといえるのか。
ミステリ―

『エノーラホームズの事件簿』考察とネタバレ|兄ちゃんの名にかけて

シャーロック・ホームズの妹が活躍する冒険ミステリー。エノーラとイケメン子爵が大都会ロンドンを奔走するのを見るもよし、悪人顔のシャーロックを追うもよし。
ファンタジー

『異人たちとの夏』今更レビュー|地下鉄やワゴンに乗らずとも亡き親に会える

死んだはずの両親と楽しく過ごす四畳半。泣ける大林宣彦監督作品、山田太一の浅草愛。チャキチャキの江戸っ子の父・鶴太郎、聖母のような秋吉久美子が注ぐ愛情。
恋愛

『冬時間のパリ』考察とネタバレ|邦題はロマンチックだが裏表のある二重生活

洒脱な会話に満ちたパリの夫婦生活の裏には秘かな男女関係が。タイトルこそロマンチックだが、原題のような裏表のある二重生活。
ファンタジー

『天国の本屋〜恋火』今更レビュー|願いはかなう、想いは伝わる

慈愛に満ちた笑顔、毅然な態度に溌剌とした動作。忘れられない竹内結子の魅力溢れる傑作ファンタジー。ぽっかりと空いた喪失感を、この映画が少しでも埋めてくれたらいいのに。
スリラー

『グレタ GRETA』考察とネタバレ|忘れ物を届けるのにも覚悟が必要

イザベル・ユペールがストーカーを怪演。カバンを届けただけなのにクロエ・グレース・モレッツが危機。グレタは怖いのだけれど、その怖さが笑えるほどにエスカレートする。
SF

『TENET テネット』考察とネタバレ|これぞ脳トレ映画、脳年齢を若返らせろ

理解するのは二度目からでよい。まずはその映像体験でお腹いっぱいになろう。ノーラン祭りは続くのだ。時間を逆行することを、こんなに長い時間、真剣に考えたことはかつてない。
コメディ

『記憶にございません!』考察とネタバレ|もっと政界に斬り込む覚悟を!

支持率最低総理が記憶喪失になり、しがらみなく世直しに出る。毒気のない三谷コメディに乗れるかが鍵。中井貴一と佐藤浩市なら、もっと政界に斬り込んでほしかったけど。
青春

『みんなエスパーだよ!』今更レビュー|グラビアアイドルだよ、の間違いだに

ほぼ8割のシーンをパンチラと水着が埋め尽くすナンセンスSF。園子温監督なのに健康的なエロだに。おバカな笑いだらけの突き抜けたくだらなさがいい。
サスペンス

『フォロウィング』今更レビュー|ノーラン監督の原点がここにあるという興奮

クリストファー・ノーランの時系列こねくり回しの面白さ。趣味の尾行は痛い目に遭う。カネはなくてもセンスとアイデアで勝負のサスペンス。
戦争・反戦

『ダンケルク』考察とネタバレ|英国人はこの<名誉ある撤退>を忘れない

ノーラン監督が名誉ある撤退を映画化。個人の目線で捕えた戦争の迫力と悲惨さ。ハンス・ジマーの劇伴が、CGなしの広大な海岸の圧倒的スケールが、不安を煽る。
コメディ

『金田一耕助の冒険』金田一耕助の事件簿①|<瞳の中の〇>は大林映画の鬼門

古谷一行のTV版金田一を愛し、尾道三部作を愛する私には、何十年も怖くて見られなかった大林作品。パロディの連発に忙しく、誰もストーリーに関心を払わない怪作。