シネフィリー・ステディ・ゴー! | ページ 63
ファンタジー

『天国の本屋〜恋火』今更レビュー|願いはかなう、想いは伝わる

慈愛に満ちた笑顔、毅然な態度に溌剌とした動作。忘れられない竹内結子の魅力溢れる傑作ファンタジー。ぽっかりと空いた喪失感を、この映画が少しでも埋めてくれたらいいのに。
スリラー

『グレタ GRETA』考察とネタバレ|忘れ物を届けるのにも覚悟が必要

イザベル・ユペールがストーカーを怪演。カバンを届けただけなのにクロエ・グレース・モレッツが危機。グレタは怖いのだけれど、その怖さが笑えるほどにエスカレートする。
SF

『TENET テネット』考察とネタバレ|これぞ脳トレ映画、脳年齢を若返らせろ

理解するのは二度目からでよい。まずはその映像体験でお腹いっぱいになろう。ノーラン祭りは続くのだ。時間を逆行することを、こんなに長い時間、真剣に考えたことはかつてない。
コメディ

『記憶にございません!』考察とネタバレ|もっと政界に斬り込む覚悟を!

支持率最低総理が記憶喪失になり、しがらみなく世直しに出る。毒気のない三谷コメディに乗れるかが鍵。中井貴一と佐藤浩市なら、もっと政界に斬り込んでほしかったけど。
青春

『みんなエスパーだよ!』今更レビュー|グラビアアイドルだよ、の間違いだに

ほぼ8割のシーンをパンチラと水着が埋め尽くすナンセンスSF。園子温監督なのに健康的なエロだに。おバカな笑いだらけの突き抜けたくだらなさがいい。
サスペンス

『フォロウィング』今更レビュー|ノーラン監督の原点がここにあるという興奮

クリストファー・ノーランの時系列こねくり回しの面白さ。趣味の尾行は痛い目に遭う。カネはなくてもセンスとアイデアで勝負のサスペンス。
戦争・反戦

『ダンケルク』考察とネタバレ|英国人はこの<名誉ある撤退>を忘れない

ノーラン監督が名誉ある撤退を映画化。個人の目線で捕えた戦争の迫力と悲惨さ。ハンス・ジマーの劇伴が、CGなしの広大な海岸の圧倒的スケールが、不安を煽る。
コメディ

『金田一耕助の冒険』金田一耕助の事件簿①|<瞳の中の〇>は大林映画の鬼門

古谷一行のTV版金田一を愛し、尾道三部作を愛する私には、何十年も怖くて見られなかった大林作品。パロディの連発に忙しく、誰もストーリーに関心を払わない怪作。
SF

『アップグレード』考察とネタバレ|一度イップ・マンと戦わせてみたい

体内に埋め込まれたAIチップで身体能力が飛躍的に向上。高速戦闘もお任せで、強さは滑稽さと紙一重。戦う姿がどことなくマトリックス似なのはご愛敬。
スリラー

『悪魔はいつもそこに』考察とネタバレ|まともな牧師も保安官もいないのか

偶然に席を譲ったことから始まる悲劇の連鎖。祈りを捧げる者は救われるか。この町には悪魔が多すぎる。
サスペンス

『メメント』今更レビュー|10分前何してた?今や私も日常的に自問自答する

短期記憶を持続できない男が亡き妻の復讐に挑む。全編時間を遡る構成は今なお斬新。ノーランの出世作。難解な映画を解き明かす先に、本当のだましが待っている。
コメディ

『ピンカートンに会いにいく』考察とネタバレ|解散アラフォーのアイドルたち

アラフォーがアイドルユニットを再結成。前向きでない所に現実味。内田慈の好演で予想以上に笑える。けして『SUNNY』の後追いではなく、独自の面白味あり。
SF

『ガタカ』今更レビュー|題名は覚えにくいけど知る人ぞ知る傑作SF

題名は覚えにくいけど、知る人ぞ知る傑作SF。20年前はSF映画だった。今ではもう、現実社会を描いた作品に思える。
コメディ

『ヒズガールフライデー』今更レビュー|息つく暇もない掛け合い漫才コメディ

これがスクリューボール・コメディというものか。あまりの勢いにタジタジ。ケーリー・グラントの髪型と割れたアゴ、それにくわえ煙草の仕事姿が時代を感じさせる。
SF

『インセプション』考察とネタバレ|<夢のまた夢>を地で行くとこうなるのか

畳み掛ける夢の多層構造で、獲物に考えを植え付ける。脳トレに最適。娯楽で観られる程ヤワじゃない。夢の中の地下3階か4階で、何十年も暮らすのは結構快適かも。