『キングダム 魂の決戦』
王騎将軍が亡くなって突入した激動の時代、5国の合従軍が秦国に襲い掛かるシリーズ第5弾。
公開:2026年 時間:134分
製作国:日本
スタッフ
監督: 佐藤信介
原作: 原泰久
『キングダム』
キャスト
【秦国】
信(しん): 山﨑賢人
嬴政(えいせい): 吉沢亮
河了貂(かりょうてん): 橋本環奈
麃公(ひょうこう): 豊川悦司
蒙恬(もうてん): 志尊淳
王賁(おうほん): 神尾楓珠
桓騎(かんき): 坂口憲二
騰(とう): 要潤
蒙武(もうぶ): 平山祐介
王翦(おうせん): 谷田歩
蒙驁(もうごう): 坂東彌十郎
張唐(ちょうとう): 橋本さとし
蔡沢(さいたく): 笹野高史
昌平君(しょうへいくん): 玉木宏
昌文君(しょうぶんくん):髙嶋政宏
肆氏(しし): 加藤雅也
呂不韋(りょふい): 佐藤浩市
陽(よう): 山下美月
向(こう): 蒔田彩珠
【合従軍】
李牧(りぼく): 小栗旬
春申君(しゅんしんくん): 斎藤工
万極(まんごく): 山田裕貴
汗明(かんめい): 勝矢
呉鳳明(ごほうめい): 田中圭
成恢(せいかい): 渋谷謙人
オルド: 宍戸開
臨武君(りんぶくん):一ノ瀬ワタル
慶舎(けいしゃ): 中村蒼
カイネ: 佐久間由衣
項翼(こうよく): 結木滉星
媧燐(かりん): 三吉彩花
白麗(はくれい): 三山凌輝
干央(かんおう): 高橋光臣
勝手に評点:
(一見の価値はあり)

コンテンツ
あらすじ
馬陽の戦いで秦が大将軍・王騎を失ってから3年。王騎の思いを受け継ぎ、成長を続ける信は千人将に昇格していた。そんな中、趙の宰相・李牧の策略で、秦以外のすべての国が手を組み、総数50万からなる「合従軍」が秦へ侵攻を開始する。
首都・咸陽の王宮では嬴政を中心に事態の対応に奔走するが、かつてない軍勢を前に、秦は国家滅亡の危機に追い込まれる。
信は同じ若き将である蒙恬や王賁とともに、秦の国門である函谷関へ向かい、同地には麃公、蒙武、騰、王翦、桓騎ら秦を代表する将軍たちが集結する。
一方の合従軍は、楚の春申君を総大将に、かつて祖国を蹂躙されたことで秦に恨みを抱く趙の猛将・万極をはじめとする各国の強者たちが集っていた。

一気通貫レビュー(若干ネタバレあり)
王騎将軍亡きあと
二年ぶりに続編が公開されたキングダムも本作で5作目。
原作のボリュームを考えると、前作で王騎将軍(大沢たかお)が戦死したことで一旦シリーズの映画化としては区切りかと勝手に考えていた。だが、どうやらまだまだ続きそうな気配濃厚で、これは嬉しい。
特に前半だるいテンポで進む話が気になった前作に比べると、今回ははじめからハイテンポでぐいぐいと物語が進行。

死してなお偉大な存在だったと思わせる王騎将軍にまつわるエピソードがダイジェストで語られたあと、これまで二作にわたりチラ見せで登場してきた趙の知将・李牧(小栗旬)が信(山﨑賢人)の前に現れる。
李牧や万極将軍(山田裕貴)が生き残っている以上、本作の秦国の相手は趙国なのだろうと思っていたら、驚いたことに、李牧は楚国の宰相・春申君(斎藤工)と手を組み、両者同時に秦国に攻め込んでくる。
いや、それだけではない。二国に加え、魏国の呉鳳明(田中圭)、韓国の成恢(渋谷謙人)、燕国のオルド(宍戸開)、それに斉国と、すべての国が合従軍を結成して秦国に襲い掛かってくるのだ。
そんなのムリゲーじゃん
これ、原作も史実もよく知らずに観ている者としては、そんなの勝てっこねえムリゲーじゃんとしか思えない。
次々と強大な敵が現れては領土を攻めてくるというパターンが、まるでいろんな怪獣が同時多発的に日本列島を襲う『ウルトラマン』の前後回に分かれるエピソードのようである。
もっとも、それにしたって敵国が6つは多すぎる。なんとか斉国だけは外交で引っぺがしに成功するが、残る5国が大軍を送り込む。

迎え撃つ秦国は難攻不落の国門である函谷関に守りを固め、国都の防衛に備える。
秦国の将軍には麃公(豊川悦司)、蒙武(平山祐介)、騰(要潤)、王翦(谷田歩)、桓騎(坂口憲二)といった猛者が勢ぞろい。
そして、中華全域を巻き込んだ、壮絶な戦いの火ぶたが落とされる。
山田裕貴が今回の敵大将かな
各国入り乱れてのバトルロワイヤルという構成にはなっているが、戦いは次回に持ち越されたキャラも多く、今回合従軍で決戦の見せ場が与えられたのは楚国の汗明(勝矢)と臨武君(一ノ瀬ワタル)、そして趙では万極(山田裕貴)といった面々か。
万極の兵はみな、秦国に親兄弟を虐殺された遺族の集まりであり、その復讐の執念で、斬られてもゾンビのように立ち上がる。
相手をするのは飛信隊だが、父や兄弟の仇をとりに攻めてくる万極とどう戦うか。信は当然負けられないが、勝っても後味は悪い。この勝負にどう共感できる決着をつけられるのかは興味深いところ。
秦国王の嬴政が吉沢亮で趙の万極が山田裕貴では『東京リベンジャーズ』と混乱しそうに思えたが、今回吉沢亮の出番は少ない。
信の山﨑賢人と汗明の勝矢も『ゴールデンカムイ』を思い出してしまいそうだが、直接剣を交える場面はなかった。臨武君の一ノ瀬ワタルは主演作『四月の余白』を観てから、<実はいいヤツ>に見えてしまって困ってしまう。
トヨエツと要潤がいい
戦場にいる武将たち以外にも、秦国には王の周囲に昌平君(玉木宏)、昌文君(髙嶋政宏)、肆氏(加藤雅也)、呂不韋(佐藤浩市)といった癖の強い大物俳優がゴロゴロしている。
いつもの私なら、こんなに大物俳優を大量に配置されると落ち着いて映画に没入できないと嘆くところだが、本作はメリハリのつけ方がうまいのか、あまり気にならない。
猪突猛進型だが天性の勝負勘もある信は今回も活躍するが、同じように台頭する千人将の蒙恬(志尊淳)や王賁(神尾楓珠)も凛々しく、頼もしい存在。

その他秦国では別格の存在感を示したのがトヨエツ演じる麃公。その豪快な戦い方と大物感は、ポスト王騎将軍になりえるのか。ニヤリと笑う姿はキントーンのCMを彷彿とさせる。
それから、今まではいつも王騎将軍の右腕として脇にいた騰(要潤)が、今回は満を持してかなり派手に戦ってくれるので、これもスカッとする。
本作で唯一残念だったのは、羌瘣(清野菜名)が去ってしまった設定なのでほぼ出番がなかったことかな。
後半に登場してくる敵のメンバーが、実際に腕をふるうのは次回作ということになるので、楽しみではあるがまた2年も待つのはつらいなあ。もう少し早めに公開されるといいのだが。
