『埃』『カナタ、遠く』『そのうちぼくらは』『名もなき一篇』 『A Little World』『東京』考察とネタバレ!あらすじ・評価・感想・解説・レビュー | シネフィリー

藤井道人監督|初期短編作品集・一気通貫レビュー

①『埃』・『カナタ、遠く』
『そのうちぼくらは』・『名もなき一篇』
『A Little World』・『東京』

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『埃』

公開:2011 年  時間:42分  
製作国:日本

スタッフ 
監督:     藤井道人

キャスト
曽我幸一郎、川上一輝、岩原正典、カズヤ、片岡弘明、宮田幸輝、松永有生、海中省吾、観月悠馬、若宮友香、金子一夫

勝手に評点:2.0
(悪くはないけど)

©BABEL/LABEL、株式会社ハーベストフォックス

あらすじ

光を浴びなければ見ることができない宙を舞う埃(ほこり)、やがて落ちていく誇りも、風があれば浮かび上がることができるのに。生きづらさを抱える若者たちが、ある別荘で過ごす一晩の出来事はは彼らをどう変えたのか。

今更レビュー(ネタバレあり)

習作に近い。カウンセラーの先生が診ている、コミュ障だったり自傷癖があったり、心を病んでいる男たちを集めて、山荘のようなところで合宿をする。

生きづらさを抱える若者たちが、ある別荘で過ごす一晩の出来事は、彼らをどう変えたのか。見知らぬ者たちの乗り合わせるバンの重苦しい雰囲気と、それぞれが語る人生の絶望や苦悩。ああ、重苦しい。

埃というのは、藤井監督が最新作『最後まで行く』で隠れテーマにしているキーワードだ。誰もが心の中に埃を持っているらしい。

光を浴びなければ見ることができない宙を舞う埃、落ちていく誇りも、風があれば浮かび上がることができるのに。映画としては哲学的で意味ありげではあるが、埃の正体は最後までよく分からなかった。

©BABEL/LABEL、株式会社ハーベストフォックス

『カナタ、遠く』

公開:2013 年  時間:31分  
製作国:日本
 

スタッフ 
監督:     藤井道人

キャスト
蝦名聖也、池田嘩百理、青山拓也、牛山祐樹、高見綾、山下ケイジ

勝手に評点:3.0
(一見の価値はあり)

【2020年2月25日DVDリリース】『藤井道人初期短編作品集1』初公開

あらすじ

地方に住む主人公のカナタとその友人のヒカリとマサシ。三人は「お金がたまったら東京で暮らそうと話していた。カナタとマサシは工場で働き、少しずつお金がたまっていくのだが徐々に三人を取り巻く環境に不穏な影が忍び寄ってくる。

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今更レビュー(ネタバレあり)

ハローハロー。こちら、カナタ。プレゼントに貰ったケータイで、仲間と連絡をとる主人公の青年。『こちらあみ子』ではないが、本作の主人公の若者も、知的障害がある。

だが、とても純粋でマジメな青年で、友だちのマサシの口利きで、同じ工場で働かせてもらう。

彼はそのマサシやヒカリという女性に親しくしてもらい、みんなでおカネを貯めて東京で暮らそうと頑張ることに。だが、カナタにはDVの父親がいて、彼の給料をまきあげる。

前作『埃』に比べると、だいぶドラマの設定がしっかりしてきた。三人は勿論、ダメ父や、優しい工場の社長など、脇役のキャラ立ちもいい。

このドラマで1時間あったら、もっと深い話が描けたと思うが、さすがに30分では尻切れトンボの印象は拭えず。ちょっと勿体ない。

©BABEL/LABEL、株式会社ハーベストフォックス