『フランシス・ハ』 レビュー雑記:けして、ハァ?と言って挑発している訳ではない

スポンサーリンク

『フランシス・ハ』 
 Frances Ha

彼氏を振った途端、親友のルームメイトも結婚で去り、ダンサーの夢も挫折寸前でも、くじけないダメ女。グレタ・ガーウィグは監督業も順調だけど、この役は実に彼女にふさわしい。ノア・バームバック監督の出世作。

公開:2014年  時間:86分  
製作国:アメリカ

スタッフ 
監督:    ノア・バームバック
脚本:    ノア・バームバック
       グレタ・ガーウィグ

キャスト
フランシス: グレタ・ガーウィグ
ソフィー:  ミッキー・サムナー
レヴ:    アダム・ドライバー
パッチ:
   パトリック・ヒューシンガー

勝手に評点:2.5
(悪くはないけど)

(C)Pine District, LLC.

あらすじ


ニューヨーク、ブルックリンに暮らすフランシス(グレタ・ガーウィグ)は、プロのモダンダンサーを目指している。

彼女とルームシェアをしながら楽しい日々を送っていた親友のソフィー(ミッキー・サムナー)は、パッチ(パトリック・ヒューシンガーとの婚約を機に、フランシスを置いて引っ越して行く。

恋人に振られ、ソフィーとの同居生活も解消になってしまったことから、フランシスは居場所を求めて町を転々とするはめになる。

周りの友人たちは次々と身を固めていき、焦りも感じたフランシスは、自分の人生を見つめ直していく。

(C)Pine District, LLC.

レビュー(ネタバレあり)

鑑賞後に忘れないうちに書いたものなので、ちょっと短めです。

ブルックリンでダンサーを目指すフランシス。同居するレズっ気たっぷりの大親友ソフィーが恋人と暮し始め、自分も既に彼氏を振るわ、ダンサーの団員に外されるわ。

そんな苦悩の日々を明るく破天荒に暮らすコメディタッチの青春映画。けして恋愛映画ではない、結局誰とも成就しないから。

モノクロで綴るNYや旅先のパリの背景に、主演女優を大きく動かす構図は、デビッド・ボウイの楽曲『モダンラブ』と相俟って、カラックスやトリュフォーの映画を想起させる。

『マリッジストーリー』ノア・バームバック監督の出世作で、まだ青いアダム・ドライバーもナルシストなボンボンで登場し、存在感を放つ。

だが、なんといっても主演のガーウィグが大柄の体躯と気取らない笑顔で観客を魅了。こんな健康的な魅力の27歳女子が、地下鉄の駅ホームで大胆におしっこしたり、マンハッタンをATM探して全力疾走して転倒したりするなど、型破りにもほどがある。

本作でも脚本を書いているグレタ・ガーウィグは、その後、ノア・バームバック監督と結婚し、自身もフランシスの前日譚といえる(サクラメントの田舎映画)『レディバード』を監督。

主演したシアーシャ・ローナンとは、近年の監督作『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』でもタッグを組み、いずれも評論家から高い評価を得ている。

ダンサーの夢破れたフランシスは、振付師として活路を見出す。今度は自分の生活のために働き始めるのだ。

自らが舞台に立つのではなく、演出を手掛けることで舞台での成功を仲間と共有する充実感。

そして新しく移ったアパートのポストに挿入した名札が、サイズ足らずで苗字が隠れタイトルのようになるというオチ。本来の『フランシス』は既に登録済でタイトルに使えず、苦肉の策だったとか。

これはこれで、過去の自分との訣別の意と見えた。