『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間』
Twin Peaks: Fire Walk with Me
公開:1992年 時間:135分
製作国:アメリカ
スタッフ
監督: デヴィッド・リンチ
キャスト
ローラ・パーマー: シェリル・リー
リーランド・パーマー: レイ・ワイズ
シェリー: メッチェン・アミック
レオ・ジョンソン: エリック・ダ・レー
アルバート: ミゲル・フェラー
アニー・ブラックバーン:ヘザー・グラハム
ドナ・ヘイワード: モイラ・ケリー
チェット・デズモンド:クリス・アイザック
スタンリー: キーファー・サザーランド
ジェームズ: ジェームズ・マーシャル
ボビー・ブリッグス:ダナ・アシュブルック
ロネット: フィービー・オーガスティン
テレサ・バンクス: パメラ・ギドリー
ノーマ・ジェニングス: ペギー・リプトン
ウッズマン: ユルゲン・プロホノフ
カール: ハリー・ディーン・スタントン
ハロルド: レニー・フォン・ドーレン
セーラ・パーマー:グレイス・ザブリスキー
マイク: ゲイリー・ハーシュバーガー
デイル・クーパー: カイル・マクラクラン
ジェフリーズ: デヴィッド・ボウイ
勝手に評点:
(悪くはないけど)

コンテンツ
あらすじ
1988年、ワシントン州を流れる川で、テレサ・バンクスという少女の死体が発見された。FBIのゴードン地方捜査主任は捜査官デズモンドを現地に送り込むが、デズモンドは捜査の途中で謎の失踪を遂げてしまう。
捜査に加わったクーパー捜査官は、再び事件が起こることを予感する。
1年後、田舎町ツイン・ピークスでは、学校で人気者の高校生ローラ・パーマーが何かに怯え、セックスやドラッグに逃避する日々を過ごしていた。そしてある日、新たな事件が起こる。
今更レビュー(ネタバレあり)
解決を期待した私がバカだった
初めにお断りしておくと、今回のレビューは『ツイン・ピークス』の謎を解明するものではまったくないし、詳細なストーリーを紹介するものでもない。
これは単発の映画作品としてとらえた場合、観ておくべき作品なのかという観点で、胸の中のわだかまりを書き綴ったレビューになる。脱落組になった私の敗戦記といってもよい。
◇
デヴィッド・リンチ監督の作品を追いかけていたくせに、私はブームにまでなった『ツイン・ピークス』にはまったくハマらなかった。
謎解きの面白さがあるのかと思ってテレビシリーズを観たものの、シリーズ中盤でローラ殺しの犯人が分かってからは一気に興味を失い、そこから謎めいた方向に拡散していく物語には、どこまでマジメに付き合えばよいか戸惑った。
◇
そうはいっても、オリジナルシリーズは一通り最後まで付き合った。ツイン・ピークスの町に暮らす風変りなキャラクターたちも、ひととおりは頭に入っている。
そして、消化不良のまま終了してしまったTVドラマ版のモヤモヤを、劇場版である『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間』が解消してくれると、なぜか私は根拠なく期待してしまった。
だが、よく考えてみれば、鬼才デヴィッド・リンチが、そんな親切な作品を撮るはずがない。結局私にとって、この映画はモヤモヤを解消するどころか、更に増幅させる結果となった。

はじめの遺体は別の少女
映画の冒頭で川に浮かぶ死体。これは、美しきローラ・パーマーの遺体だと思っていると、何とテレサ・バンクスという全く別の少女の遺体。
舞台はワシントン州の田舎町ディア・メドウ。FBIの捜査官チェット・デズモンド(クリス・アイザック)が鑑識のサム・スタンリー(キーファー・サザーランド)とともに捜査を開始する。
◇
ドラマの主人公デイル・クーパー捜査官を演じたカイル・マクラクランが主演を断ったというので、映画はデズモンドの物語として進むものと思われた。
ところが、途中から唐突にクーパーがフィラデルフィアの上司ゴードンのオフィスに現れ、さらにそこに、2年ほど失踪していたジェフリーズ捜査官(デヴィッド・ボウイ)まで現れる。
『24 TWENTY FOUR』のキーファー・サザーランドが目立たない役で出ていたのにも驚いたが、まさかデヴィッド・ボウイまでカメオ出演させるとは贅沢な。
この辺から話は意味不明なオカルトな世界に突入。捜査中にデズモンドは忽然と姿を消し、クーパーがテレサ・バンクスの殺人事件を探り始める。
ツイン・ピークスには来たけれど
そして1年後。ここでようやくお馴染みのテーマ曲とともに舞台はツイン・ピークスに移り、生前のローラ・パーマー(シェリル・リー)が登場する。
ここから先は、殺される前のローラと、お馴染みのツイン・ピークスの愉快な住民たちの物語となる。

そこまではよかったのだが、なんと私が好きだったオードリー・ホーン役のシェリリン・フェンが丸ごと登場しないではないか。
ついでに、ドナ・ヘイワード役のララ・フリン・ボイルだって、モイラ・ケリーに配役が変更されている。この中途半端な対応はいただけないし、混乱要因だ。
『ツイン・ピークス』の名で映画を撮るのなら、せめてレギュラーメンバーは同じ顔触れを揃えてほしかった。
◇
また、TVドラマでは意外とコメディタッチの部分が多かったのに(眼帯女のネイディーンとか高い声の事務員ルーシーとか)、映画ではあまり笑いを取りにいかない。
そうなると、ローラ・パーマーの悲惨な運命だけがクローズアップされ、何とも暗い話に終始する。
デヴィッド・リンチ監督作品なのだから、意味不明な妄想世界やカオスに溢れているのはよい。
だが、それが独立した単発映画に登場するのならともかく、長いTVドラマシリーズの延長線上にある劇場版で行われるのは、ちょっと勘弁してほしい。
もはや私には、その後のリミテッド・イベント・シリーズを追いかけるだけの気力は残っていなかった。