1.『X-MEN:ファーストジェネレーション』(2011)
2.『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014)
3.『X-MEN:アポカリプス』(2016)
4.『X-MEN:ダーク・フェニックス』(2019)
『X-MEN:フューチャー&パスト』
X-Men: Days of Future Past
公開:2014 年 時間:131分
製作国:アメリカ
スタッフ 監督: ブライアン・シンガー 脚本: サイモン・キンバーグ キャスト ローガン / ウルヴァリン: ヒュー・ジャックマン チャールズ・エグゼビア/プロフェッサー: (若)ジェームズ・マカヴォイ (老)パトリック・スチュワート エリック・レーンシャー/マグニート: (若)マイケル・ファスベンダー (老)イアン・マッケラン レイヴン・ダークホルム/ミスティーク: ジェニファー・ローレンス オロロ・マンロー/ストーム ハル・ベリー ハンク・マッコイ/ビースト: (若)ニコラス・ホルト (老)ケルシー・グラマー マリー/ローグ: アンナ・パキン キティ・プライド/シャドウキャット: エリオット・ペイジ ボビー・ドレイク/アイスマン: ショーン・アシュモア ピーター・マキシモフ/クイックシルバー: エヴァン・ピーターズ ウィリアム・ストライカー: (若)ジョシュ・ヘルマン (老)ブライアン・コックス ボリバー・トラスク: ピーター・ディンクレイジ
勝手に評点:
(一見の価値はあり)
あらすじ
2023年、バイオメカニカル・ロボット「センチネル」によって地球は壊滅へと向かっていた。プロフェッサーXは宿敵のマグニートと手を組み、1973年にウルヴァリンの「魂」を送り込み危機の根源を絶とうとする。
50年前の自分の肉体に宿り「センチネル・プログラム」の開発を阻止しようとするウルヴァリン。しかしその間も、2023年では暴走するセンチネルの過酷な攻撃で、地球滅亡へのカウントダウンが進んでいた。
2023年と1973年。二つの時代が同時進行する激しいバトルは、想像を絶する結末へと向かう。
レビュー(ネタバレあり)
1973年と2023年の二元中継
2023年にはセンチネルという、過去にミュータントのDNAを分析し創り出したロボットの進化により、地球が壊滅する。
そこには年老いたチャールズ(パトリック・スチュワート)やエリック(イアン・マッケラン)、そしてローガン(ヒュー・ジャックマン)といったスタープレイヤーが勢ぞろいしているが、それでも敵には歯が立たないのだ。
こうして2023年(来年だよ!)、人類は滅びようとしている。このディストピア設定はまるで『ターミネーター』シリーズのようだが、本作もやはり、その運命を変えるために、過去に戻って歴史を立て直そうとする。
負傷したキティ(エリオット・ペイジ)の能力を吸い取って、マリー(アンナ・パキン)が仲間を過去に転送する。
この辺のやりとりが、X-MEN各メンバーの能力を熟知していないと分かりにくい。当時エリオット・ペイジはまだエレン・ペイジだったから、二名の少女はキャラが被ったからか。
ともあれ、過去に戻る荒療治に耐えられるのは不死身のローガンだけというわけで、彼に白羽の矢が立つ。
戻った先は1973年のニューヨーク。体内に隠された爪はまだアダマンチウムではなく、骨のままだ(金属探知機を通過できてつい驚く)。
こうしてローガンは、過去の時代のチャールズやエリックたちを説得し、センチネル創造の発端であるミスティーク(ジェニファー・ローレンス)捕獲に繋がった、トラスク博士(ピーター・ディンクレイジ)の暗殺を食い止める作戦にのりだす。
世代を越えたオールスター戦
本作は、冒頭から過去と未来をまたがって物語が進行するので、ぼんやり観ていると理解に苦しむことになる。何せ、冒頭に出てきた改変される前の2023年の未来、そして彼らが変えようとしている1973年の過去、そしてその結果改変された新しい2023年という構造になっているからだ。
だが、そのおかげで感慨深い場面にも出会える。
- チャールズ(パトリック・スチュワート)
エリック(イアン・マッケラン)
ストーム(ハル・ベリー)
ビースト(ケルシー・グラマー)
といった、2023年パートの旧三部作シリーズのメンバー - チャールズ(ジェームズ・マカヴォイ)
エリック(マイケル・ファスベンダー)
レイヴン(ジェニファー・ローレンス)
ビースト(ニコラス・ホルト)
といった、前作『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』からの新シリーズメンバー
時空間は違えど、この連中が本作で夢の共演を果たすのだ。そしてその仲介役が、年を取らないウルヴァリンというのも、適材適所なのである。
意外なことにドラマとして見られる
新旧世代の直接の絡みはないものの、それぞれの時代でのチャールズとエリックのやりとりや戦いをみているだけで満足感はある。
若いチャールズが未来からきたローガンと出会い、「お前、以前に酒場で俺の誘いを断った無礼なヤツだな」(前作にそのカメオ場面あり)という楽屋オチもいい。
そして1973年において、孤独にトラスク暗殺を企むミスティークのアサシンとしての悲哀と、彼女に感化され人類に宣戦布告しようとするエリック、全作以降いじけていたがようやく覚醒するチャールズと、ドラマとしても見応えがある。
1973年のセンチネルのロボット軍団は強いのだが、同じ動きをするロボット兵士の軍団は最後に負けるという『アイアンマン3』や『スターウォーズ/クローンの攻撃』の例に漏れず、最後には自滅してしまう。
車椅子生活に戻ることを覚悟して能力抑制剤を断ち、感覚を研ぎ澄まして埃を被ったセレブロを装着するチャールズ。スタジアムを宙に浮かせるほどの強力なパワーを持ち、特殊ヘルメットをかぶって思考が読み取られないようにするエリック。
はたして、ミスティークの暗殺は阻止できるか(空港のすべての人間にチャールズが憑依する演出はいい)、そして未来は変えられるか。これほど複雑な物語に、各メンバーの見せ場をきちんと用意しているところは心憎い。