『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』 MCU一気通貫レビューvol.11:最初からクライマックスのサービス精神に脱帽

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『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』 
Avengers: Age of Ultron

前作から右肩上がりに増えていくヒーローたち。最初からクライマックスが山盛りの旺盛なサービス精神。ワンダ&ヴィジョンは、本作で初参戦。ついでにピエトロも。

公開:2015 年  時間:141分  
製作国:アメリカ

スタッフ 
監督:        ジョス・ウェドン

キャスト 
トニー・スターク / アイアンマン:
        ロバート・ダウニーJr.
スティーブ・ロジャース / キャプテン:
          クリス・エヴァンス
ブルース・バナー / ハルク: 
           マーク・ラファロ
ソー:      クリス・ヘムズワース
ナターシャ・ロマノフ: 
       スカーレット・ヨハンソン
クリント・バートン / ホークアイ: 
          ジェレミー・レナー
ワンダ / スカーレット・ウィッチ:
         エリザベス・オルセン
ピエトロ / クイックシルバー:
    アーロン・テイラー=ジョンソン
ヴィジョン:     ポール・ベタニー
ニック・フューリー: 
      サミュエル・L・ジャクソン
ローディ・ローズ / ウォーマシン:
            ドン・チードル
サム・ウィルソン / ファルコン:
         アンソニー・マッキー
ローラ・バートン:リンダ・カーデリーニ
ヘレン・チョ:     キム・スヒョン
ストラッカー: トーマス・クレッチマン
ウルトロン:  ジェームズ・スペイダー
マリア・ヒル:  コビー・スマルダーズ

勝手に評点:3.5(一見の価値はあり)

(C)Marvel 2015

あらすじ

アイアンマンとして何度も人類の危機を救い、だからこそアベンジャーズの限界を誰よりも強く知るトニー・スタークは、自分たちの手に負えない敵の襲来に備え、禁断の平和維持システムである人工知能「ウルトロン」を起動させる。

しかし、ウルトロンは「究極の平和」を実現するため、平和を脅かす唯一の存在である人類の抹消を選択する。再び訪れた人類滅亡の危機に、アベンジャーズは人知を超えたウルトロンを相手に戦うことになる。

一気通貫レビュー(ネタバレあり)

最初からクライマックスだぜ

ヒーローがついに団結して敵と戦うニューヨーク決戦まで、できるだけ引っ張ったことで一気に盛り上がった『アベンジャーズ』のあの興奮を、本作では何と、惜しみなく冒頭で披露する。

007シリーズのアヴァンタイトルも真っ青の最初からクライマックスだぜ展開。ジョス・ウェドン監督、正気か。

(C)Marvel 2015

結論からいえば、途中に挟んだ韓国でのバトルも、終盤のソコヴィアの決戦も、スケール・迫力・スピード感に優れ、冒頭に負けない見せ場ではあった。

だが、初球から全速力で投げ込まれると後半には目が慣れて感動は薄らぐ

アクションは単純に楽しめるが、本作のストーリーは結構難解だ。私は劇場公開時に消化不良だったが、今回やっと理解できた気がする。

まず、ヒーローが多すぎる点はハードルを上げている。ただでさえ、一般水準をはるかに上回るヒーロー数で飽和状態だというのに、双子のワンダとピエトロ、さらにヴィジョンという濃いめのキャラを追加投入するのだ。

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追加投入の濃いめキャラ

この双子、スカーレット・ウィッチとクイックシルバー『X-MEN』を代表して登場した形でファンとしては嬉しい。

だが、当初はスターク社に恨みを持って参戦しヒドラ側につき、気が付けばアベンジャーズ側にいるという慌ただしさで、初見ではどっち側にいるのか立ち位置が分かりにくい

更に難解なのがヴィジョンだ。ウルトロンがJ.A.R.V.I.S.を殺し人類滅亡を企む流れは分かりやすい。『ターミネーター』の世界観と似ているからかもしれない(そういえば、敵の造形も似ている)。

だが、J.A.R.V.I.S.が実は死んでなくて、そして新たにヴィジョンが誕生する流れはよく分からない。まあ、味方なんだろうけど。

どうせなら、長年ともに戦ってきたJ.A.R.V.I.S.が実体化してヴィジョンになったよ、という説明の方がはるかに嬉しいのに(だって、どっちもポール・ベタニーじゃん)。

ヒーローたちの内面を引きだす

今回はヒーローたちの内面も引きだしてドラマにしようという努力も感じられる。

トニーのPTSDやスティーブのペギーへの思いはこれまでにも描かれたが、ナターシャの不妊手術を受けた過去やブルースとの職場恋愛、クリントには妻も子供もいて田舎の一軒家で隠遁生活をしているなどという、私生活も出てくる。

初見のときはこれらの要素がアクションものには不要と断じていたが(私の備忘録によれば)、改めてみると、人間的な深みを出すのには、悪くない取り組みだ。ジョス・ウェドン監督がこだわったのも分かる。

むしろ、彼が乗り気じゃなかったのは、ソーがノルンの洞察の泉に行き、色とりどりのインフィニティストーンの悪夢をみて悶絶するシーンだろう。

ぶっちゃけ、『エンド・ゲーム』のあとに観返しても、これだけではとても意味が分からない映像だ。私も悶絶したくなる。

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』でコレクターがストーンについてパワポのスライドで説明してくれるようなシーンがあったと記憶するが、あっちの方が余程親切だ。

本作のエンドクレジット後に出てくるサノスとガントレットも、取って付けた感じ。

惜しむべきはクイックシルバーの早逝

さて、本作で初お目見えのワンダとヴィジョンが主役のスピンオフ・ドラマ『ワンダヴィジョン』が今年配信開始したが、この二人はアベンジャーズとして戦力も個性も大きい魅力的なキャラだと思う。

一方で、悔やまれるのは、クイックシルバーが、子どもの身代わりとなり早くも戦死してしまったことだ。

彼も生きていれば、笑いも取れる有望キャラだったはずだ。バッキーやグルートのように、生き返ってくれることを願うばかりだ。

(C)Marvel 2015

ヒーローの集団に、加速装置で素早く動けるメンバーが不可欠なのは、島村ジョーの例を出すまでもない。思い付きで、サイボーグ009と似た能力者を並べてみた。

  • 009:島村ジョー(加速装置)
      ⇒ クイックシルバー
  • 001: イワン・ウイスキー (天才頭脳) 
      ⇒ ヴィジョン
  • 002:ジェット・リンク (飛行能力)
      ⇒ ファルコン
  • 003:フランソワーズ・アルヌール(視聴覚)
      ⇒ ナターシャ(性別だけか)
  • 004:アルベルト・ハインリヒ(全身武器)
      ⇒ アイアンマン
  • 005:ジェロニモ(怪力)
      ⇒ ハルク、いやドラックスだな
  • 006:張々湖(火炎)
      ⇒ ワンダ
  • 007:グレート・ブリテン(変身能力)
      ⇒ ロキ
  • 008:ピュンマ(深海活動)
     ⇒ アクアマン!(別リーグじゃね?)

以上、前後作品と話を繋がねばならないMCUの難しさと、ネタを欲張って詰め込み過ぎた感じは否めないが、決してつまらない作品ではない。ソコヴィアの街をまるごと空に浮き上がらせてしまう奇想天外なスケールも好きだ。

マーベルと喧嘩別れしてしまったジョス・ウェドン監督、彼のMCUへの多大な功績を考えれば、ぜひ新作には戻ってきてほしい。