『ブラッド・ダイヤモンド』 今更レビュー:永遠の輝きには闇もある

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『ブラッド・ダイヤモンド』 Blood Diamond

給料3か月分の輝きの裏に潜む血の紛争。資金源になるブラッドダイヤモンドの社会問題に斬り込む。かつてのこの惨状は、その後どこまで改善されたのだろう。レオナルド・ディカプリオはこの頃から演技派路線に転向。

公開:2006 年  時間:143分  
製作国:アメリカ

スタッフ
監督:  エドワード・ズウィック

キャスト
ダニー・アーチャー:  
     レオナルド・ディカプリオ
ソロモン・バンディー:
       ジャイモン・フンスー
マディー・ボウエン:  
      ジェニファー・コネリー

勝手に評点:3.5
(一見の価値はあり)

(C)2006 Warner Bros. Entertainment Inc. ALL RIGHTS RESERVED.

あらすじ

内戦状態にあるアフリカのシエラレオネ共和国。漁師ソロモン(ジャイモン・フンスー)は妻子と暮らしていた村を反政府軍RUFに襲撃され、ダイヤ採掘場での労働を強制される。

ある日、彼は大粒で高価なピンク・ダイヤを発見するが政府軍が採掘場へ乱入。ソロモンは刑務所へ連行される前にダイヤを森に隠す。

一方、同じ刑務所に投獄された密売人ダニー(レオナルド・ディカプリオ)は、ソロモンがピンク・ダイヤを見つけたと噂を聞き、ダイヤの引き渡しと条件に彼を釈放させようとする。

今更レビュー(ネタバレあり)

ブラッド・ダイヤモンドとは、紛争の資金源となるダイヤのことだ。

ダイヤを売った資金で武器を購入し、内戦が激化する。

舞台となっているシエラレオネでは内戦で、反政府軍が地元民を強制労働させたり、麻薬漬けで少年兵を仕立てたり、襲撃した村人の手足を切断したり、目を覆いたくなる惨劇が繰り広げられていた。


映画が公開されてから10年以上が経過し、この惨状を改善させるべく新たな枠組みが制定されているようだ。

改善されたことを祈りたいが、映画はこの社会問題を真正面から取り上げた点で意義深い。

フィクションでありレオナルド・ディカプリオが主演している以上、ある程度の脚色やエンタメ要素が入るのは仕方ないと思うが、それはほどよい具合に抑制されていたのではないか。

少なくとも、問題に真摯に向き合っている作品だった。

(C)2006 Warner Bros. Entertainment Inc. ALL RIGHTS RESERVED.

米国人女性ジャーナリストとして、ジェニファ―・コネリーが登場するが、けして状況を無視してレオと恋愛ムードに浸るような、浮世離れした展開ではない。

二人は互いに牽制し、利用しあう打算的な関係であったが、最後には恋愛関係とも呼べる信頼の絆がうまれる。

この映画の前後でレオナルド・ディカプリオの演技が比較できるほど記憶が定かではないが、本作あたりから、ただの二枚目俳優ではなく、重厚な役もこなせる役者に成長してきたのかもしれない。

ソロモン(ジャイモン・フンスー)とその家族たちの存在によって、市民の悲痛な叫びはよりリアルなものに感じられた。

愛する息子が洗脳されて自分に銃口を向けるようになる衝撃は、想像を絶する。シャブ漬けの少年兵たちが、兵器で市民に発砲する姿は、悪夢でしかない。

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マーベル映画慣れしてしまった身には、みんなが激しく争って取り合う<石>は、宙に浮いたり、激しく光ったりするものだと思ってしまう。

淡いピンクのガラスの破片のようなピンクダイヤモンドの原石は、いくら貴重なものとはいえ、ちょっと映像的には物足りなさを感じてしまった(かと言って光らせる訳にもいかないだろうが)。

ラストでヴァン・デ・カープ社の金庫に格納されるところで、ようやくピンクダイヤが貴重な品にみえた。ヴァン・デ・カープ社、デビアス社がモデルだろうか。

『婚約指輪は給料3か月分が目安です』とか『スイート・テン・ダイヤモンドだ!』とか、高いのを買わないと肩身の狭い、過酷な時代があったのを思い出す。