『ハリー・ポッターと秘密の部屋』一気通貫今更レビュー②

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『ハリー・ポッターと秘密の部屋』 
Harry Potter And The Chamber Of Secrets

公開:2002 年  時間:161分  
製作国:イギリス

スタッフ 
監督:       クリス・コロンバス
脚本:     スティーブ・クローブス
原作:        J・K・ローリング
    『ハリー・ポッターと秘密の部屋』


キャスト
ハリー・ポッター:ダニエル・ラドクリフ
ロン・ウィーズリー:ルパート・グリント
ハーマイオニー・グレンジャー:
            エマ・ワトソン
ドラコ・マルフォイ: トム・フェルトン
ネビル・ロングボトム:マシュー・ルイス
ジニー・ウィーズリー: ボニー・ライト
ダンブルドア:   リチャード・ハリス
マクゴナガル:     マギー・スミス
ハグリッド:   ロビー・コルトレーン
スネイプ:     アラン・リックマン
ロックハート:    ケネス・ブラナー
フィルチ:  デイビッド・ブラッドリー
ルシウス・マルフォイ:
       ジェイソン・アイザックス
ほとんど首無しニック:ジョン・クリーズ
嘆きのマートル:
       シャーリー・ヘンダーソン
トム・リドル:クリスチャン・コールソン

勝手に評点:4.0
(オススメ!)

あらすじ

ホグワーツ魔法魔術学校の2年生の新学期を迎えようとするハリーの前に、屋敷しもべ妖精ドビーが現れ「学校に戻ってはいけない」と忠告するが、ハリーは学校へ。

やがて「殺してやる」という正体不明の謎の声が聞こえ、マグルの生徒たちが石になってしまうという事件が起こる。

ホグワーツの設立者のひとり、サラザール・スリザリンが作ったと言い伝えられる「秘密の部屋」の存在が事件と関連しているとみたハリーらは、秘密の部屋の謎に迫る。

一気通貫レビュー(ネタバレあり)

二作目もほぼ前作同様のフォーメーションのため、大きな変化はなく、原作忠実度も高いまま。前作の好き嫌いが、そのまま本作でも維持されるのだろう。

ホグワーツの1年生を修了し、再びつらい現実社会に戻っていたハリー・ポッターが、2年生となって再登校するまでの導入部分が楽しい。

今回の大きな新キャラクターとしては、魔術世界の人気者、ナルシスト教師のギルデロイ・ロックハートが登場。演じるは名優ケネス・ブラナー、いかにも軽薄な口先だけの先生をうまく演じている。

堅物のハーマイオニーロックハートに夢中になっているのも愉快。

同じく新キャラの屋敷しもべ妖怪ドビー。CGキャラだがその造形、くねくねした動きから台詞回し、喋り方まで、どうみても『ロード・オブ・ザ・リング』「いとしいしと!」でお馴染みのスメアゴル(ゴラム)だ。

同作の公開が2001年、本作は2002年とほぼ同時期とはいえ、スメアゴルは50年代には出版されていたトールキンの原作で作りこまれたキャラクターゆえ、やはりドビーがその影響を受けているように思える。

アラゴクという巨大蜘蛛との対決も、『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』を思い出してしまうが、単に獲物を捕らえて食すだけのトールキンものに比べ、こちらの蜘蛛は会話もできて知性を感じる。

本作はホグワーツ創設者4人のうちの一人、サラザール・スリザリンの継承者が<秘密の部屋>を開き、ホグワーツの生徒たちを石化させる怪物を解き放つところから始まる。

石化ときけば、睨んだ相手を石にしてしまうギリシャ神話メドゥーサが有名だが、その頭髪が蛇だったことと、この怪物バジリスクには関係があるのだろう。

石化された犠牲者たちを戻すのに、童話の世界ではお馴染みのマンドレイクの根っこが使われる。人間の形にみえるマンドレイクが手足を動かす様子は、ダークファンタジーのようで面白い。

石化された仲間たちを救おうと、秘密の部屋を探し出そうとするハリーやロンたちの活躍は、今回も胸躍る。ドラコ・マルフォイはすっかり憎まれ役が板についてしまった。

それにしても、生徒たちは2年生ともなると、みんな杖を片手に呪文を唱えて、いっぱしの魔法をいろいろと使っていることに感心。

原作以上に楽しめた点としては、

  • 聞いた者は死んでしまうというマンドレイクの悲鳴が実際に聞けたこと
  • トイレの花子さんならぬ女子トイレ妖怪の嘆きのマートル(シャーリー・ヘンダーソン)が意外と現代風の女子だったこと
  • 50年前に書かれたトム・リドル(クリスチャン・コールソン)の日記(見た目は白紙)に、ハリーが文字を書くと答えが浮かび上がってくる映像、等。

前作で割と善人なのかもと思えてきたスネイブ先生がいいキャラに育ってきた感じあり。クィディッチの試合には今回も時間を割いていたけれど、そろそろ食傷気味。次回作にもあるのだろうか。